| ●2003/07/18 Ｆｒｉ. 
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志朗ちゃんは癌でした。 志朗ちゃんは特に目に癌がありました。 Ａ犬猫病院へ行くと、自分で筋肉注射して、 目は糸で結索して取る様に言われました。 志朗ちゃんはミニウサギで、白地に黒い模様があり、 特に片目の黒い模様が可愛らしかったのです。 その、白い方の目を結索して取る事になったのです。 一ヶ月程掛かったでしょうか? 綺麗にとれて、目の窪みだけが桃色に残りました。 私は、そんな姿になって迄、健気に生きている彼をこう呼びました。 愛パッチ君。 勿論、造語です。 アイパッチの様に可愛らしいと言う意味を込めて、 病気が良くなる様にとの願いを込めての愛称でした。 それから、筋肉注射は毎日行い、お亡くなりになる迄、続けました。 Ａ獣医は、注射器と針とゴム栓の付いた注射瓶入りの薬液を与えてくれました。 最初は首の付け根を場所を変えながら打っていたのですが、 注射の為にしこりが出来てしまったので、お尻にも打つようになりました。 志朗ちゃんは、病気と闘いました。 私がどんな治療をしても、嫌な顔一つせずに、 皮膚病の時、毛を鋏でカットしても逃げないで、 不正咬合も、一生ニッパーでカットし続けて、 苦しかったと思うけれど、それでも私の事をママだと思ってくれていた様でした。 大きな声で、「志朗ー!」と呼ぶと忍者の様に馳せ参じました。 特におやつを与えていた訳ではなかったのですが、 少量の蜂蜜をあげて、頭を撫でていました。 志朗ちゃんは賢い子です。 愛に溢れたとても素晴らしい兎さんでした。 今、思えば、もっと、好きなものを食べさせてあげれば良かったかとか、 治療はあれで良かったのかとか、 私は天国の志朗ちゃんに対して、涙しています。 志朗ちゃん、化けて出るのなら、私の所に来てね。 志朗ちゃんの最期は、私が当時交際していた主人の元へ行った折、 母から連絡があったから早く帰る様にと言われ、 自宅へ帰ると、もう、 自分達で掘った巣穴に硬くなって、温かい様な顔もちで、 安らかに横たえていました。 何も解らない、当時一緒に飼っていた、寛ちゃんは、 志朗ちゃんの体を無視していつも通りにしていました。 でも、少しは様子がおかしいと思ったはずだと思いました。 私はそれから一晩中、志朗ちゃんの亡骸を撫でていました。 もう、涙も枯れて出ない様になっていました。 主人と出会う前は、私の愛情のやり場が無くて、 愛情の全血を志朗ちゃんと寛ちゃんに注いでいました。 私は二つ目の大学へ行く気力も無く、ただ呆然としていました。 翌日、結局、トップの成績を取る為に、休んでノートを取れなくなるのは困るから、 大学へは行きました。 そこで落ち合って、将来の主人と珍しく、ファミリーレストランでお茶をしました。 行き止まりの席に座り、彼はホットケーキを頼んだのを覚えています。 私が志朗ちゃんの死から立ち直れた切っ掛けは、 彼の鼻毛を見てしまい、吹いてしまったからです。 そんな事に私は癒されました。 志朗ちゃん、私は今でも貴方のママです。 何時でも良いから、顔を出しておくれ。 今度は、もっと、もっと、愛しますから・・・。 *** 咲春 |
| 志朗ちゃん 愛パッチ君 |
